WHAT IS ROCK DANCE?
Rock Danceは、1960年代後半から1970年代前半にかけて、New Yorkのストリートカルチャーの中で育まれてきたダンスです。その背景には、音楽、ダンス、コミュニティ、そしてそこに生きた人々の文化があります。
「Rock Dance」という名前については、Rock Musicに合わせて踊られていたことに由来するという説明があります。一方で、身体を前後・左右・上下へロックさせるような動きから、その名前が生まれたという説明も伝えられています。
しかし、Rock Danceとは単なるダンスの名称ではありません。音楽を感じ、身体を動かし、自分自身を表現すること。Rock Danceには、ダンスを超えたマインドセットと文化があります。
BEFORE ROCK
Rock Danceは、何もないところから突然生まれたわけではありません。その背景には、Rock以前からNew Yorkのストリートやダンスフロアで踊られていたさまざまなダンスと、そこから生まれた身体感覚がありました。
Papoが伝えるRock Danceの系譜では、Tighten Up、Mother Popcorn、ABC、Good Footなどのダンスが、後のRock Danceへつながる重要な要素として挙げられています。これらのダンスが持っていたFunk、Rhythm、Grooveが、Rock Danceというスタイルの身体性を形作っていきました。

Soul、Funk、Jazzなどのアフリカン・アメリカンの音楽文化と、Salsa、Mambo、Merengueなどのラテン系の音楽・ダンス文化が交わり、New Yorkのストリートで若者たちによって育まれていった。こうした文化の交わりの中から、Rock Danceは形づくられていきました。
異なる音楽や文化がNew Yorkの街で交わり、若者たち自身の感覚によって新しい表現へと変化していく。この「ストリートで生まれ、若者たちによって育てられる」という流れは、その後に同じくBronxという地域から生まれるHIPHOP文化とも共通しています。
Papoが伝える歴史の中では、Rock DanceはNew Yorkで最初期に生まれたストリートダンスの一つとして位置づけられています。そして、その背景を知ることは、HIPHOPがどのような環境から生まれていったのかを理解することにもつながります。
FREESTYLE ROCK

「ROCK」と呼ばれるダンスは、一つだけではありません。
New Yorkのストリートダンスの歴史を調べていくと、「ROCK」という名前を持つ異なるスタイルや文化に出会います。特に、BronxやUpper ManhattanでPapoたちが継承してきたFreestyleのタイプのRockと、Brooklynを中心に発展したRockingは、同じ「ROCK」という言葉で語られることがありますが、それぞれ異なる背景とスタイルを持っています。
PapoやEnochが伝えているOriginal Freestyle Rockは、BronxやUpper Manhattanの第一世代のRock Dancersから受け継がれてきたスタイルです。フットワークやGroove、即興性だけでなく、身体全体の動きや音楽とのつながりを大切にします。決められた形をただ踊るのではなく、音楽を感じ、自分らしく表現することを追求します。
一方、Brooklynを中心に発展したRockingにも、独自の歴史とスタイルがあります。JerkやBurnなどの動きを含むRockingの文化は、Freestyle Rockとは異なる系譜として理解する必要があります。
New Yorkには、異なる地域や世代、コミュニティによって育まれたRockの歴史があります。このサイトでは、その中でもPapoからShidoへ直接受け継がれているOriginal Freestyle Rockに焦点を当て、その歴史、身体性、音楽との関係、そして文化としてのRockを伝えていきます。

THE ELEMENTS
1 — SOPHISTICATION(洗練されたスタイル)
2 — CHARISMA(カリスマ性)
3 — IMPROVISATION(即興性)
4 — RHYTHM(リズム感)
5 — FUNK(ファンク)
6 — GROOVE(グルーヴ)
7 — BOUNCING(バウンス)
8 — SPRING DROPS(スプリングドロップ)
RHYTHM / FUNK / GROOVE
Freestyle Rockを理解する上で、Rhythm、Funk、Grooveは欠かすことのできない要素です。
ダンスにおけるRhythmは、音楽だけから生まれるものではありません。Movement、Music、Emotionの3つが重なり合うことで、ダンサーの身体にRhythmが生まれます。
Beatが音楽の中にある基本的な拍だとすれば、Rhythmはその上で展開される音や動きのパターンです。そして、FunkやGrooveを身体で感じることで、同じ動きでも、その人ならではの表現へと変わっていきます。
Grooveとは、繰り返されるRhythmを身体で感じる中から生まれる「Feel」です。だからこそFreestyle Rockでは、ステップを覚えるだけではなく、音楽を聴き、感じ、身体で表現することが重要になります。
Papoは、こうした身体と音楽のつながりを表現する言葉として「Groovement」という言葉を使っています。SkillやFootworkだけではなく、身体そのものが音楽とつながり、Grooveを持って動くこと。それもOriginal Freestyle Rockの重要な特徴です。
LOVERS, NOT FIGHTERS
Rock Dancersは、自分たちを「Lovers, not fighters」と考えていました。
ダンスは、暴力に囲まれた環境から距離を置き、自分たちのエネルギーを表現するための手段でもありました。技術を磨き、音楽を感じ、仲間と競い合いながら、自分自身のスタイルを作っていく。
Papoが伝えてきたOriginal Rockは、単なるステップや技術ではありません。Skill、Style、Music、Groove、そして人とのつながりを大切にする文化です。

ORIGINAL TO NEW WAVE
Originalを知ることは、過去に戻ることではありません。先人たちが残してくれたものを理解し、その本質を受け取り、自分たちの時代の中で新しい表現へとつなげていくことです。
Rockが生まれた時代から受け継がれてきた基礎と精神を尊重しながら、今の時代の音楽、今の感覚、今の身体で表現する。
それもまた、Rockを生きた文化として次の世代へつないでいくために必要なことだと考えています。
“I want to see your ROCK.” – Papo
PapoがShidoに伝えた言葉です。
70年代のスタイルをただ再現するのではなく、その基礎を理解した上で、今の時代に自分たちが感じる音楽で、自分たちなりのRockを表現する。
それが、PapoがShidoに伝えた「New Wave Rock」という考え方です。
KEEP THE ORIGINAL, CREATE THE NEW
Originalを守ることと、進化させることは矛盾しません。
Rootsを知らなければ、何を受け継いでいるのか分からない。先人を知らなければ、自分たちがどこから来たのか分からない。だからこそ、Originalを学び、理解し、尊重する。そして、その上で自分たちの時代を生きる。
音楽も、ダンスも、文化も、止まった瞬間に過去になります。受け取ったものを次へ渡しながら、自分たちの時代の表現へと進化させていく。
